商圏ベンチマーキングとは、同じ基準で商圏比較しながら、立地の個性や共通点を学ぶ手法です。地域の潜在的なニーズやウォンツを理解するための仕組みがgleasinには実装されています。立地最適な商業施設のテナントミックスを考えるための商圏ベンチマーキングをgleasinで試してみましょう。
商圏ベンチマーキングを実現するためにgleasinが無料で提供している指標は以下の通りです。

商圏ベンチマーキングに活用する指標

  • 周辺居住者のライフスタイルを理解するGeodemo(ジオデモ)
  • 世帯数、人口、将来人口、就業者数、年間小売販売額
  • 平日休日の3時間ごとの推定滞在人口
  • 類似商圏の商業施設リスト
  • ブランドカタログ

直感的な商圏分析を実現するGeodemo(R)

居住者の特徴やまちの様子を共通の言語で語ることができるように、ライフスタイルの違いや、消費行動の違いをわかりやく日本全国の21万町丁目ごとに10グループに分類したものが「Geodemo(R)」です。カラフルなGeodemoマップを読み込むことができれば、直感的にその立地はどんな人たちが周辺に多く住んでいるか理解することができます。

上空600mぐらいからまちを観察する手法が商圏分析です。ちょうど東京スカイツリー(634m)ぐらいの高さからまちを見下ろすイメージです。普段地面だけからまちを観察している人にとっては、目の前の風景と商圏分析で表現されている情報を一致させるのに少し時間がかかるかもしれません。

 

ライフスタイル・ライフステージの違いからテナントミックスのヒントを得る

Gedeomo分類は、日本全国を統計的手法と機械学習によって商業不動産の開発・運営に関わるすべての人が直感的に使えるように作られています。よく知っている場所や、自宅の周辺にある商業施設の商圏を出力して、実際に現地を歩いてみることをおススメします。

都心から郊外に放射状に伸びる鉄道網に添って商業施設を観察すると居住者の違い、来館者の違い、テナントミックスの違いを学ぶことができます。

 

「商業施設カタログ」で全国の商業施設をベンチマーキング

「商業施設カタログ」では全国3,200超の大型商業施設をベンチマーキングすることができます。施設名、地名などからターゲットになる商業施設を検索し表示してみましょう。

例えば、都心「新宿ミロード(東京都新宿区)」、郊外エリアの「新百合ヶ丘エルミロード(神奈川県川崎市)」、郊外外縁部「ダイナシティーウエスト(神奈川県小田原市)」の1km圏商圏を比較すると以下のようになります。

新宿ミロードGeodemoMAP新宿ミロード1km圏
(東京都新宿区西新宿1:人口2.7万人、就業者数40万人、年間小売販売額1兆1526億円、主要居住者タイプ「Geodemo1 都心富裕層45%」「Geodemo3 市街地単身地区50%」)

 

新百合ヶ丘エルミロードGeodemoMAP新百合ヶ丘エルミロード1km圏
(神奈川県川崎市麻生区上麻生1:人口1.7万人、就業者数2.1万人、年間小売販売額655億円、主要居住者タイプ「Geodemo2 富裕層ファミリー地区77%」「Geodemo1 都心富裕層地区13%」)

 

ダイナシティウエストGeodemoMAPダイナシティウエスト1km圏
(神奈川県小田原市中里:人口1.8万人、就業者数0.9万人、年間小売販売額650億円、主要居住者タイプ「Geodemo5 メーカ勤務ファミリー52%」「Geodemo4 サラリーマンファミリー地区44%」)

これら3地区のうち、1km圏内の人口増加が確認できたのが新百合ヶ丘エルミロードの商圏で2040年までに1%ほどの増加が推計されています。

 

推定滞在人口を比較してみる

「新宿ミロード」「新百合ヶ丘エルミロード」「ダイナシティウエスト」周辺200m圏にどのくらいの滞在人口があるのか比較することもできます。滞在人口はスマホのアプリのGPSデータをもとに3時間毎の滞在している人口を推計しています。

新宿ミロード推定滞在人口新宿ミロード周辺の推定滞在人口

 

新百合ヶ丘エルミロード推定滞在人口新百合ヶ丘エルミロード周辺の推定滞在人口

 

ダイナシティウエスト推定滞在人口ダイナシティウエスト周辺の推定滞在人口

 

 

商圏類似施設の比較でテナントミックスのヒントを得る

自社の商業施設に誘致すべきテナント戦略を検討するのも商圏ベンチマーキングが活用できます。gleasinには商圏の類似している施設をリストアップする機能が無料で提供されています。

立地環境の類似性については、1km圏、3km圏のGeodemo構成と200m圏の推定滞在人口からデータサイエンティストが算出しています。

商圏の類似している施設で、同規模の施設が見つかればその施設のテナントミックスをヒントにすることができます。ちなみに、「新百合ヶ丘エルミロード」と商圏が類似している地点としてピックアップされたのが隣接する商業ビル「新百合ヶ丘オーパ」、イトーヨーカドー藤沢店(神奈川県藤沢市)、イオンモール船橋(千葉県船橋市)でした。商圏類似リストは最大50件まで出力されます。

 

「ブランドカタログ」からテナントミックスのヒントを得る

類似商圏にある施設のテナントミックスを参考にするだけでなく、「ブランドカタログ」からテナント候補を探す方法もあります。

「ブランドカタログ」で新百合ヶ丘ミロードに入店しているコスメ専門店「ORBIS THE SHOP」を検索してみると以下の画面が現れます。全国104店舗展開しており、北海道から沖縄まで出店しています。

ORBISTHESHOP全国MAP

 

さらにORBIS THE SHOPの出店立地の特徴として以下の様に表示されます。

ORBISTHESHOPGeodemo出店傾向

「Geodemo1.都心富裕層地区」「Geodemo3.市街地単身地区」「2.富裕層ファミリー地区」が得意な出店エリアと表示されます。出店傾向が似ているのはチョコレート専門店の「GODIVA」やスキンケアブランドの「FANCL」が見られます。「GODIVA」はすでに新百合ヶ丘エルミロードに出店済みですので、「FANCL」を誘致するというシナリオを描くこともできるかもしれません。

 

仮説検討を1/10の時間で

これまで、gleasinのベンチマーキング機能を実際にマーケティングで実施しようとした場合、データ収集と分析に2週間ほどの時間がかかりました。gleasinを使えばおよそ1時間ほどで初期仮説を立案することができます。

gleasinは、テナント企業にも同様の商圏ベンチマーク機能を提供しています。商業施設から出店の打診があった場合でも、gleasinを使うことによって共通の市場に対する理解を深めることができ、テナント企業とリーシング担当者との合意形成もスムーズに進むことを期待しています。

 

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