最近、郊外のショッピングセンターが平日でも比較的賑やかになったという話も耳にしますが、これは午前中は在宅勤務で午後に出社するようなフレキシブルな働き方が定着したからとの指摘もあります。
このような生活者心理の変化は新しい需要が生まれるきっかけにもなり、店舗開発担当者にとっては新業態を開発するよいタイミングです。本記事では、新業態開発から初期の店舗網拡大フェーズのデータ活用手法を2つご紹介します。
まず、1店舗目で成功したので、2店目を作りたいという場合の方法はシンプルです。すでにある特定の地域で軌道に乗っているビジネスであれば、そのビジネスと同じ立地環境を探して店舗網を広げることができます。類似立地の探索ができれば、「インクブロッド(インクがしみわたるように店舗網を広げる手法)」が実現します。ドミナント出店という言い方もされます。
以前、牛タン「ねぎし」の根岸榮治社長のお話をセミナーで伺う機会がありました。「ねぎし」の発祥の地は新宿歌舞伎町です。牛タンととろろと麦めしの組み合わせは「ねぎし」が元祖だそうで、ターミナル駅周辺で働くビジネスパーソンだけでなく、ヘルシー嗜好の女性の昼食の需要を捕えています。
現在、「ねぎし」は40店舗まで店舗網を拡大していますが、新宿、渋谷、神田、池袋、東京駅、錦糸町など"ターミナル駅"×"ビジネス街"の立地に限って店舗展開をしています。
社長のお話では、店舗開発は人材開発(マネジャーを育てる)の意味もあり、自分の得意な立地に出店することが重要とのことでした。ウェブサイトの物件募集ページの希望物件内容には「新宿駅から電車で30分圏内」と掲載されており、集中出店は徹底しています。
ブランド初期の課題であるキャッシュフローの安定化のためにも、成功確率の高い立地を選んで出店していくことは重要です。
それでは、0から1を生み出す段階、つまり新業態の1店舗目を開発する場合はどのようにすればよいのでしょうか?
この場合に有効となるのが、ベンチマーキングです。ベンチマーキングは仮説を立てるもっともシンプルな手法です。例えば、業種・業態が違っている場合でも、提供する世界観や価値観が同じとみなせるビジネスの出店傾向を観察することは、店舗開発の発想を豊かにしてくれます。
この手法は、既存のビジネスからスピンアウトした業態で新しい顧客セグメントを開拓したい時に特に役立ちます。今後成長することが期待される顧客層と似た顧客層をターゲットにしているビジネスを把握し、その出店傾向を観察することによってそれは実現します。
以前ですと、ベンチマークの対象は競合・同業他社の自社より上位の企業を研究する手法が主流でした。しかし、今日では業種・業態の垣根がどんどん曖昧になってきています。提供する世界観や価値観の視点からベンチマーキングを実施することができれば、不必要な競争を避け、多様性の中での棲み分けを目指すことができるでしょう。
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